オリジナルノッチフルート(前面6孔管)製作中 ~仕上げ拭き漆塗り~
当工房で使用する漆は、瀬〆漆、摺り漆、朱合漆、黒呂色漆などです。
笛に漆を塗ることにより、見た目の美しさや汚れ防止、優しい肌触りが得られるのですが、
笛の機能として最も重視しているのが、管内面の塗りです。
管内面の平滑性が音色や音鳴りに大きく影響します。
特に、木製管の場合が顕著です。
内面をいくら目の細かいペーパーをかけてもうまく鳴りません。
木目の目立つ木肌の荒い環孔材ではほとんど音も出ません。
そのためさび漆(瀬〆漆にとの粉をまぜたもの)で目止めの下地処理を充分に施してから、
朱漆や摺り漆を塗ります。
塗り重ねていくにつれ、音量が大きく、音色に張りや艶が出てきます。
写真上; 塗り途中
真竹管はひも巻き後、上部に黒呂漆を薄く塗る。
木製管は、上部に赤漆を塗る(後でこの上から、黒呂色漆を塗る)
写真下: 左から2本ずつ
真竹管~G管・F管・LowD管
木製LowD管~アズキナシ材・アメリカンブラックチェリー材・タモ材